「全国の高校演劇部員に、もっと結果を得る機会を!」という思いから立ち上げた高校演劇の大会です。
劇作家の新作書き下ろし戯曲を〈共通課題台本〉に、通常のコンクールよりも長いリハーサルを経て、上演・審査に臨みます。台本が共通のため、おのずと上演のクオリティや演出表現が評価のポイントとなる稀有な大会です。もちろん、全国からご参加いただくことができます。
いわて銀河ホール高校演劇アワード2020
課題戯曲オンラインリーディング & トークセッション
開催のお知らせ
新型コロナウイルスの影響による全国一斉休校に伴い開催を断念した「いわて銀河ホール高校演劇アワード2020」ですが、
大会を予定していた3月21日前後の3日間、上野原高校演劇部、江戸川高校演劇部、盛岡第一高校演劇部他、大会関係者の出演により、
「課題戯曲オンラインリーディング&トークセッション」を実施することといたしました。
本イベントはYouTubeのライブ配信を利用して公開いたします。
現時点では、出場校による課題戯曲『ひとはた』のリーディングを60分程度、
作家・照明兼舞台監督・審査員を交えての戯曲解釈や上演プランについてのトークを60分程度といった内容を予定しています。
急ごしらえのイベントで出場校も関係者も手探りで進めていますが、
「アワードで得られるはずだったものを出場校に何とか渡したい」という実行委員会や関係者の思いから企画しました。
趣旨は「大会」でも「成果発表」でもなく、出場校のこれからに向けての機会提供と、戯曲のお披露目であり、
いわば失われたゴールの機会をそこからスタートする機会に変えて前を向いてもらおうとするものです。
どうか温かい目(耳?)でお楽しみいただければ幸いです。
〜 以下、配信スケジュールとURLとなります。〜
【3月20日(金・祝)14:00〜16:00】
【出演】上野原高校演劇部、山本正典、黒太剛亮、河野桃子、蜂巣もも、佐藤駿、小堀陽平(進行)
【3月21日(土)14:00〜16:00】
【出演】盛岡第一高校演劇部、山本正典、黒太剛亮、河野桃子、蜂巣もも、佐藤駿、小堀陽平(進行)
【3月22日(日)14:00〜16:00】
【出演】江戸川高校演劇部、山本正典、黒太剛亮、河野桃子、蜂巣もも、佐藤駿、小堀陽平(進行)
いわて銀河ホール高校演劇アワード2020の中止を受け、課題戯曲を担当した劇作家・山本正典さんより出場校あてのメッセージをいただきました。
掲載許可をいただきましたのでこちらに全文を掲載いたします。
山本さん、ありがとうございます。
高校演劇アワード2020参加校の皆さんへ
戯曲「ひとはた」を執筆しました、劇団コトリ会議の山本です。
どうですか、「ひとはた」は。
一体ぜんたい、これをどう上演すればいいんだろう。
困ってるでしょう、「ひとはた」に。
今回、高校演劇アワード2020の課題戯曲の執筆にあたり、僕が一番大事にした言葉は「課題」です。
「課題」ということは、「乗り越えなきゃいけない」ということです。
「乗り越えなきゃいけない」ということは、
それは平べったい道でなく、高い壁があったり、深い谷があったり、跳び箱があったり、クモの巣があったり、
アリの巣を見つけなきゃいけなかったりコンドルの巣を温めているコンドルと目があったり、
コロナウイルスがやってきたり突然どこかから休校要請がやってきたり、そういうことなのです。
わかりましたか皆さん。
僕は全然わからない!!
とても楽しみにしてたのに!!
ねぇ皆さん。
僕とっても悩んで悩んで書いたんです。
だってめちゃくちゃ面白い企画じゃないですか。
銀河ホールの人から依頼を受けた時、すごくわくわくしたんです。
このめちゃくちゃ面白い企画をもっともっと、めちゃくちゃ面白い時間にしたい!
悩んで悩んで書いたんです。
朝7時、開店と同時にファミレスにこもって閉店夜中の3時まで!…は書いてないけど結構長いこと書いてたんです何日も。
どうやったら皆はこの戯曲に苦しんでくれるだろうか。
そしてどこまでやったら皆は苦しみながらもギリギリ何とか乗り越えて「いま、わたしたち面白い!」と感じてくれるのか。
ドリンクバーをお代わりしながら。
時には銀河ホールの怖い大人たちに「台本まだですか?」とせっつかれて。
ドリンクバーで8杯目のコーヒーを注いで、その注いだカップを席に持って帰るのを忘れて1時間後に気づいたりしながら。
僕がんばって書いたのに!
そして皆だってあるでしょう!
「ひとはた」を上演する為にたくさん悩んだこと、怒ったこと、楽しかったこと、山本に一言怒鳴りつけたいこと一言どころか百言あるでしょう。
岩手県立盛岡第一高等学校演劇部の皆さん
岩手県立盛岡南高等学校芸術部放送演劇班の皆さん
岩手県立不来方高等学校演劇部の皆さん
中央大学附属高等学校演劇部の皆さん
東京都立江戸川高等学校演劇部の皆さん
山梨県立上野原高等学校演劇部の皆さん
(北から緯度順)
僕はしっかり準備、出来てます。
「こんな戯曲書いてすみません!」て。
謝る準備、出来てます。
もし、たとえばそこがいわて銀河ホールじゃなくたって、「ひとはた」を上演されるのであれば、観に行かせてください。
上演がかなわなくても、もしどこかで山本に出会うことがあったなら、皆さんの高校のお名前を言ってください。
逃げます。
つかまえてください。
演劇で、人生で、僕がとても大切に思っていること、それは「ご縁」です。
言葉を変えれば「運」であったり「運命」であったり。
生きていく上で、僕とあなた、人と人の間に必ず発生するもの。
演劇はそれがとてもわかりやすい。その人が演じたから出来た場面。その演劇部のその部員たちが集まったから出来たお芝居。
僕はまだ皆さんの顔もお名前も知らないけれど、僕も皆さんも「ひとはた」を読んでいる、
いわて銀河ホール高校演劇アワード2020を目標に、時間を共有してきたご縁があります。
いつか、どこかでお会いしましょう。
悔しいね。悔しいね。
でも僕知ってます。皆さんの倍生きてるから。
「悔しい」は人間のなによりの糧になる。
皆さんは、僕みたいにふてくされてソシャゲばっかりやってないで、もう、なんか、悔しいね!
これからも何か、演劇でも演劇でなくてもとにかく何か、やっていこう!
やっていこう!
山本正典
審査員をお引き受けいただいた河野桃子さん、盛岡第一高校の部員の方が思いを綴ってくださったnoteの記事も併せてご紹介いたします。
快く掲載を許可してくださり、ありがとうございます。
河野桃子さん : https://note.com/momo_com/n/nc80c2db74c71
盛岡一高演劇部員 : https://note.com/hidachinata/n/n08e631ea6e3e
いわて銀河ホール高校演劇アワード2020は、
新型コロナウィルスの感染拡大防止を目的とした全国一斉休校ならびに部活動停止の影響により、
開催を中止することを決定いたしました。
出場校のみなさま、関係者のみなさま、楽しみにして下さっていたみなさま、本当に申し訳ありません。
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一歩ずれた先、街の端には掃き寄せられたくしゃくしゃな理屈がトラックいっぱい溜まってる。
道端に離婚届を捨てた女と拾った男とその友人とその姉の説明のつかない関係に、やわらかな突起を頭部に備えた宇宙人が与えたものとは……。
山本正典氏が描く不条理な群像劇に高校演劇部5校が挑みます!
|日程|
上演・審査 : 2020年3月21日(土) 9:00 開演 (8:20 受付開始)
(公開リハーサル : 2020年3月19日(木)〜20日(金))
|会場|
西和賀町文化創造館 銀河ホール(岩手県和賀郡西和賀町上野々39地割195-2)
JR北上線「ほっとゆだ」駅より徒歩5分/東北自動車道秋田道「湯田IC」より8分
|入場料|
一般1,000円/高校生以下500円(関係者席等、一部を除き全席自由)
※本大会のチケットは通し券です。客席入替制ではありません。
|共通課題戯曲|
山本正典(コトリ会議) 『ひとはた』
|出場校|(上演順ではございません)
東京都立江戸川高等学校 演劇部
中央大学附属高等学校 演劇部
山梨県立上野原高等学校 演劇部
岩手県立盛岡第一高等学校 演劇部
岩手県立不来方高等学校 演劇部・岩手県立盛岡南高等学校 芸術部放送演劇班 合同チーム
|審査員|
河野 桃子(ライター)
蜂巣 もも(演出家)
佐藤 駿(俳優)
|お問い合わせ|
電話:0197-82-3240 FAX:0197-82-2883
(ギンガク実行委員会事務局/西和賀町文化創造館 事務室内)
チケット予約申し込み
こちらのフォームよりご予約いただけます。
※原則としてチケットは郵送いたしません。当日受付にてお名前をお申し出いただき、現金にてお支払いください。
チケットをweb予約した方を対象に、課題戯曲の事前販売を行います!
希望する方は上記の予約フォームよりチケット予約をする際に、「購入を希望する」と回答ください。
戯曲料1,000円を指定口座へ入金していただき、大会開催1週間前に戯曲のPDFデータをメールでお送りします。
(必ず補足説明をご確認いただき、回答するようお願いします。)
どうして演劇がおもしろいのか、ちゃんと知りたくないですか。
岩手県西和賀町の演劇専用ホール〈銀河ホール〉で開催される、高校演劇唯一の劇作家書き下ろし課題戯曲による演出勝負の大会、それが【いわて銀河ホール高校演劇アワード】です。気鋭の作家の新作初演を飾れるだけでなく、他校演劇部員との出会い、プロの舞台スタッフとの2時間以上のリハーサル、個人表彰、戯曲解釈をめぐる審査員の濃密な講評などなど、表現の実力を手に入れるたくさんのチャンスが待っています。全国の高校演劇部のみなさん、ふるってご応募ください!
【課題戯曲執筆作家】
山本 正典 Yamamoto Masanori
1982年、福井県鯖江市出身。作家・演出家・俳優。2007年「コトリ会議」を結成、劇作を開始。
物語を形づくるあらゆる表現手段のなかから、「演劇」として成立する表現を追求。その手法は「現世と死後の世界」「地球と宇宙」など異なる世界で交わされる会話を描くことで、人の普遍的な感情を浮き彫りし、改めて人の感情の奇怪さや、人の性質の不思議さにおかしさを交えて提示する。また、それを生身の人間が演じることにより、変わらない日常に新しい視点を持ちえるようになればと思い創作している。
2018年、第9回せんがわ劇場演劇コンクール「劇作家賞」受賞。第25回OMS戯曲賞佳作。
写真:堀川高志(KUTOWANS STUDIO)
【大会概要/募集要項】
|名称|
いわて銀河ホール高校演劇アワード2020
|会場|
西和賀町文化創造館 銀河ホール(岩手県和賀郡西和賀町上野々39地割195-2)
〔客席数300席/間口12.6m~9.0m(移動式プロセニアム)/奥行9.0m/高さ6.3m〕
JR北上線「ほっとゆだ」駅より徒歩5分/東北自動車道秋田道「湯田IC」より8分
|日程|
公開リハーサル : 2020年3月19日(木)〜20日(金)
上演・審査 : 2020年3月21日(土)
|入場料|
一般1,000円/高校生以下500円(関係者席等、一部を除き全席自由)
※出場校関係者は無料でご覧いただけます。
※本大会のチケットは通し券です。客席入替制ではありません。
|出場校のメリット|
◉演劇専用ホールで長めのリハーサルと作品上演をすることができます。
◉個人賞を含む表彰のチャンスが得られます。
◉次世代を担う若手劇作家の新作戯曲の初演を飾ることができます。
◉事前訪問時とリハーサル時の最低2回、プロの演劇関係者からアドバイスを受けることができます。
◉リハーサルをお互いに見学し、他校の解釈や表現の工夫を学ぶことができます。
◉都道府県を越えて、他校の演劇部員と出会うことができます。
◉西和賀町の温泉や文化をお楽しみいただけます。
|出場決定後の流れ|
出場決定・台本送付(1月) → 稽古・制作 → スタッフが各校訪問(3月5日〜)
→ プラン提出(3月10日) → 滞在開始(3月18日) → 公開リハーサル(3月19日〜20日)
→ 上演・審査・表彰(3月21日) → 滞在終了(3月22日)
|出場校宿泊先|
西和賀町内の温泉旅館(一泊三食付き/送迎あり) ※主催者が手配します。
|滞在にかかる費用について|
宿泊費:一泊あたり6,000円(一泊三食付き/送迎あり)
交通費・大道具等の運搬費:実費
保険料:実費(500円以下)
|出場にあたっての補助等|
上演補助費として、一校あたり105,000円を補助
|募集団体数|
5校(5校を超える応募があった場合、提出書類をもとに選考を行います)
|提出作文について|
応募理由、出場するねらいについてお書きください。様式・文字数は自由。部員、顧問、コーチ等、関係者であればどなたが執筆されても構いません。応募多数の場合、この作文をもとに「自分たちが何を求めて演劇活動に取り組んでいるか」「現在の部活動をどのように今後につなげていきたいと考えているか」の2点に注目して選考します。
なお、過去の大会実績を参考にすることはありません。
|その他の留意事項|
◉課題戯曲は出場校決定後に送付となりますが、主催者からは劇作家に対し「5〜7人が登場する、60分程度で上演可能な戯曲」の執筆を依頼しています。
◉すべての出場校に同じ課題戯曲を上演していただきますが、独自解釈に努め、多様な上演可能性を追求して創意工夫してください。
◉本大会では「戯曲」と「上演台本」を区別し、潤色・テキストレジも可とします。ただし、上演台本を用いることは戯曲解釈にもとづく演出の一部とし、作成・編集にあたってはそのねらいや理由を添えて大会事務局に提出し、劇作家本人の許可を得ることを条件とします。なお、上演台本の作成・編集は、部員または顧問のみ可とします。
◉照明、音響のオペレーションは部員または関係者の方に担当していただきます。大会の趣旨上、小規模校や少人数の部のエントリーは歓迎しますが、公平性の面から、劇場スタッフおよび大会スタッフが対応することはできませんので、ご了承ください。
◉大道具はなるべく10分以内に設置および撤去できるように工夫してください。なお、物品や資材の現地調達を希望する場合は、お早めに事務局にご相談ください。
◉音響の著作権使用料については原則として主催者が負担します。(手続きに必要な書類や情報の提出については別途ご連絡いたします)
◉当日、上演の記録映像を収録します。不都合がある場合は事前にお申し出ください。
◉滞在期間中はぜひ他校部員との出会い、交流、議論等をお楽しみください。お互いに刺激的で実りある機会となるよう、主体的かつ積極的な姿勢でご参加ください。
|エントリー締切|
2019年11月30日(土) ※エントリー期間は終了いたしました。
|主催|
西和賀町・西和賀町教育委員会
|企画運営|
ギンガク実行委員会
|お問い合わせ|
電話:0197-82-3240 FAX:0197-82-2883
(ギンガク実行委員会事務局/西和賀町文化創造館 事務室内)
たくさんのお客様にご来場頂きありがとうございました!
出場校の皆様、審査員の皆様、スタッフの皆様、関わってくださった全ての皆様に感謝申し上げます。
〔出場校ならびに上演順〕
木造高等学校 演劇部(青森)
盛岡大学附属高等学校 演劇同好会(岩手)
盛岡第三高等学校 演劇部(岩手)
盛岡市立高等学校 演劇部(岩手)
西和賀高等学校 有志劇団(岩手)
〈審査結果〉
◆最優秀演出賞:盛岡市立高等学校
◆優秀演出賞:西和賀高等学校
◇最優秀演技賞:盛岡第三高等学校・高嶋真理衣さん
◇優秀演技賞:盛岡大学附属高等学校・久保田琉奈さん
◆ベストスタッフワーク賞:盛岡第三高等学校
◇審査員特別賞(徳永京子さま選):西和賀高校・大堰翔さん
◇審査員特別賞(磯島未来さま選):盛岡市立高等学校・狩野瑞樹さん
◇審査員特別賞(井上みなみさま選):盛岡市立高等学校・狩野瑞樹さん、鈴木壱星さん、山口諒雅さん、篠澤陸さん
受賞された皆様、おめでとうございます!
▲▲▲画像をクリックすると予約フォームへジャンプします▲▲▲
出場校の皆さんは今頃稽古に励まれてる最中では・・・と思いを馳せてらっしゃる方も多いと思います。
そんな中「いわて銀河ホール高校演劇アワード2019」のフライヤーも完成いたしました!
劇作家の西尾佳織さんや審査員の方々のプロフィールやエントリー作文の抜粋など見どころ満載です。ぜひ楽しんでご覧ください!
また、本日より大会観劇の予約を開始いたします!予約はこちら(もしくはフライヤー画像をクリック)からどうぞ!
皆様のご来場お待ちしております!
いわて銀河ホール高校演劇アワード
◇2019年3月23日(土) 8:20 受付開始/9:00 開演 ◇入場料/一般1,000円 高校生以下500円(要予約) ◇西和賀町文化創造館 銀河ホール
皆様のあたたかいご支援のもと、第2回のアワードの審査員の3名様と出場校5校が決定となりました!
|審査員|
徳永京子さん(演劇ジャーナリスト)
井上みなみさん(俳優)
磯島未来さん(振付家・ダンサー)
|出場校|
岩手県立盛岡第三高校(岩手県)
青森県立木造高校(青森県)
盛岡市立高校(岩手県)
盛岡大学附属高校(岩手県)※演劇同好会
岩手県立西和賀高校(岩手県)※有志劇団
お引き受け頂きました審査員の皆様にあらためて御礼申し上げます。
各校の演出・表現、そして講評と、こちらをご覧の皆さんも非常に楽しみなのではないでしょうか(運営は勿論心臓がはねあがっております)。
どうぞ引き続きご注目ください!
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どうして演劇がおもしろいのか、ちゃんと知りたくないですか。
岩手県西和賀町の演劇専用ホール〈銀河ホール〉で開催される、高校演劇唯一の劇作家書き下ろし課題戯曲による演出勝負の大会、それが【いわて銀河ホール高校演劇アワード】です。気鋭の作家の新作初演を飾れるだけでなく、他校演劇部員との出会い、プロの舞台スタッフとの2時間以上のリハーサル、個人表彰、戯曲解釈をめぐる審査員の濃密な講評などなど、表現の実力を手に入れるたくさんのチャンスが待っています。全国の高校演劇部のみなさん、ふるってご応募ください!
西尾 佳織 Nishio Kaori
劇作家、演出家、鳥公園主宰。1985年東京生まれ。幼少期をマレーシアで過ごす。東京大学にて寺山修司を、東京藝術大学大学院にて太田省吾を研究。2007年に鳥公園を結成以降、全作品の脚本・演出を担当。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボケた角度から、柔らかな光を当てようと試みている。『カンロ』にて第58回、『ヨブ呼んでるよ』にて第62回岸田國士戯曲賞にノミネート。鳥公園以外の主な作品としては、F/T14主催プログラム『透明な隣人〜-8 エイト-によせて〜』(作・演出)、SPACふじのくに⇄せかい演劇祭2015参加作品『例えば朝9時には誰がルーム51の角を曲がってくるかを知っていたとする』(作・共同演出)など。2015-2016、2017-2018年度セゾン文化財団ジュニア・フェロー。
写真:引地信彦(Nobuhiko Hikiji)
【大会概要/募集要項】
|名称|
いわて銀河ホール高校演劇アワード2019
|会場|
西和賀町文化創造館 銀河ホール(岩手県和賀郡西和賀町上野々39地割195-2)
〔客席数300席/間口12.6m~9.0m(移動式プロセニアム)/奥行9.0m/高さ6.3m〕
|日程|
公開リハーサル : 2019年3月20日(水)〜22日(金)
上演・審査 : 2019年3月23日(土)
|入場料|
一般1,000円/高校生以下500円(関係者席等、一部を除き全席自由)
※出場校関係者は無料でご覧いただけます。
※本大会のチケットは通し券です。客席入替制ではありません。
|出場校のメリット|
◉演劇専用ホールで長めのリハーサルと作品上演をすることができます。
◉個人賞を含む表彰のチャンスが得られます。
◉次世代を担う若手劇作家の新作戯曲の初演を飾ることができます。
◉事前訪問時とリハーサル時の最低2回、プロの演劇関係者からアドバイスを受けることができます。
◉リハーサルをお互いに見学し、他校の解釈や表現の工夫を学ぶことができます。
◉都道府県を越えて、他校の演劇部員と出会うことができます。
◉西和賀町の温泉や文化をお楽しみいただけます。
|出場決定後の流れ|
出場決定・台本送付(1月)→ 稽古・制作 → スタッフが各校訪問(3月5日~)
→ プラン提出(3月10日) → 滞在開始(3月20日) → 公開リハーサル(3月20日~22日)
→ 上演・審査・表彰(3月23日) → 滞在終了(3月24日)
|出場校宿泊先|
西和賀町内の温泉旅館(一泊三食付き/送迎あり) ※大会事務局が手配します。
|滞在にかかる費用について|
宿泊費:一泊あたり6,000円(三食・送迎付き)
交通費・大道具等の運搬費:実費 保険料:実費(500円以下)
|出場にあたっての補助等|
上演補助費として、一校あたり105,000円を補助
|募集団体数|
5校(6校以上の応募があった場合、提出書類をもとに選考を行い、出場校を決定します)
|提出作文について|
応募理由、出場するねらいについてお書きください。様式・文字数は自由。部員、顧問、コーチ等、関係者であればどなたが執筆されても構いません。応募多数の場合、この作文をもとに「自分たちが何を求めて演劇活動に取り組んでいるか」「現在の部活動をどのように今後につなげていきたいと考えているか」の2点に注目して選考します。
なお、過去の大会実績を参考にすることはありません。
|その他の留意事項|
◉すべての出場校に同じ課題戯曲を上演していただきますが、独自解釈に努め、多様な上演可能性を追求して創意工夫してください。
◉本大会では「戯曲」と「上演台本」を区別し、潤色・テキストレジも可とします。ただし、上演台本を用いることは戯曲解釈にもとづく演出の一部とし、作成・編集にあたってはそのねらいや理由を添えて大会事務局に提出し、劇作家本人の許可を得ることを条件とします。なお、上演台本の作成・編集は、部員または顧問のみ可とします。
◉照明、音響のオペレーションは部員または関係者の方に担当していただきます。大会の趣旨上、小規模校や少人数の部のエントリーは歓迎しますが、公平性の面から、劇場スタッフおよび大会スタッフが対応することはできませんので、ご了承ください。
◉大道具はなるべく10分以内に設置および撤去できるように工夫してください。なお、物品や資材の現地調達を希望する場合は、お早めに事務局にご相談ください。
◉音響の著作権使用料については原則として主催者が負担します。(手続きに必要な書類や情報の提出については別途ご連絡いたします)
◉当日、上演の記録映像を収録します。不都合がある場合は事前にお申し出ください。
◉滞在期間中はぜひ他校部員との出会い、交流、議論等をお楽しみください。お互いに刺激的で実りある機会となるよう、主体的かつ積極的な姿勢でご参加ください。
|主催|
西和賀町・西和賀町教育委員会
|企画運営|
ギンガク実行委員会
|お問い合わせ|
電話:0197-82-3240 FAX:0197-82-2883
(ギンガク実行委員会事務局/西和賀町文化創造館 事務室内)
いわて銀河ホール高校演劇アワード2018 無事に閉幕しました!
たくさんのお客様にご来場頂きありがとうございました!
出場校の皆様、審査員の皆様、スタッフの皆様、関わってくださった全ての皆様に感謝申し上げます。
〔出場校ならびに上演順〕
盛岡工業高等学校 演劇部(岩手)
精華高等学校 演劇部(大阪)
盛岡市立高等学校 演劇部(岩手)
桃谷高等学校 文芸部ドラマ班(大阪)
西和賀高等学校 特設演劇部(岩手)
〈審査結果〉
◆最優秀演出賞:精華高等学校
◆優秀演出賞:盛岡市立高等学校
◇最優秀演技賞:精華高等学校・温井茜さん
◇優秀演技賞:桃谷高等学校・金子翔さん
◆ベストスタッフワーク賞:盛岡市立高等学校
◇審査員特別賞(徳永京子さま選):精華高等学校・辻川慎太郎さん、渥美一稀さん
◇審査員特別賞(川口智子さま選):西和賀高等学校・柳澤あゆみさん
◇審査員特別賞(光瀬指絵さま選):西和賀高等学校・近藤唯聖さん、柳澤あゆみさん、髙橋渚さん、菅原七海さん
受賞された皆様、おめでとうございます!
たなかみさきさんのイラストによる大会ポスターと大会フライヤーが完成しました。
添えられたコピーは「何を言うかは、台本が決める。言いたいことは、わたしが決める。」と「とどけ。」。大会の趣旨を表現するとともに、たなかさんの描いてくださった少女がどんな意志を抱いているかを考えて書きました。
今大会の講評・審査を以下の3名の方々にお引き受けいただきました!
徳永京子さん(演劇ジャーナリスト)
川口智子さん(演出家/若葉町ウォーフ アーティスティック・アソシエイト)
光瀬指絵さん(俳優/「ニッポンの河川」「スイッチ総研」)
非常に刺激的な講評となるのではないかと、運営側がすでにワクワクドキドキしています!
上演だけでなく、3名の講評にもどうぞご注目ください!
山本卓卓さん(範宙遊泳)による今大会の上演戯曲が完成しました!
タイトルは『N島アカリは大丈夫』。
SNSいじめをきっかけに、世界から姿を消してしまった少女の足跡を追う高校生たちのお話です。
演出力を競う本大会にふさわしい、さまざまな読解・解釈を呼び込むような戯曲となりました。
各出場校がどんな舞台を立ち上げるのか、どうぞご注目ください!!
記念すべき第1回大会の出場校は以下の5校に決定しました。
盛岡市立高校(岩手)
精華高校(大阪)
府立桃谷高校(大阪)
県立盛岡工業高校(岩手)
県立西和賀高校(岩手)
2月23日(金)、24日(土)が公開リハーサル、本番は2月25日(日)です。
新しい高校演劇の大会が始まります。ぜひお越しください。
「いわて銀河ホール高校演劇アワード」は、どこにもなかった新しい高校演劇の大会です。
1.全国から5校の演劇部の参加を募り、
2.「劇作家の書き下ろし戯曲」を共通の上演台本として稽古・練習してもらい、
3.宿泊費の補助付きで西和賀町の温泉旅館に滞在しながら、
4.「西和賀町文化創造館 銀河ホール」で公開リハーサル(場当たり)を行い、
5.上演発表会を実施し、
6.審査により団体賞・個人賞を授与する
まず、これが「いわて銀河ホール高校演劇アワード」のポイントです。
多くの高校演劇部にとって、校外での上演のチャンスはそんなにたくさんあるものではありません。
予算的にもスケジュール的にも、そう簡単に増やせるものではありません。
劇場やスタッフのポテンシャルを引き出し、表現を追求することにも制約が付きまといます。
そして集客においても、そもそも制作の概念を持たない場合がほとんどです。
また、演劇界で活躍する演劇関係者との接点を持つことも、決して簡単ではありません。
特に地方においては、演劇関係者と高校演劇部員が互いにその上演を観られる機会すら限られています。
近年はさまざまな取り組みが急増し、状況はかなり進歩しているようですが、
それでも高校演劇の現場に目を向けると、〈高校演劇〉と〈演劇〉はどこか上手く繋がらないまま、
現在に至っているように見受けられます。
「いわて銀河ホール高校演劇アワード」は、そんな高校演劇の状況を、
ほんの少しだけでも改善したいと考え、ギンガクが立ち上げた大会です。
なんとなく遠そうな《いわて》での開催ということで、
ちょっと躊躇する学校もあるかもしれませんが、
今のところ、どこにもなかった経験と結果が得られる大会となるはずです。
たくさんのご応募、お問い合わせ、そして高校演劇部の本音のご相談をお待ちしています。
▼「いわて銀河ホール高校演劇アワード」立ち上げにあたっての所感 (小堀 陽平)
要素はいろいろとありますが、この大会を立ち上げた大きな目的は、
「高校演劇部員が、学校や家庭に《結果》を持って帰れるチャンス(大会)を増やす」
ということです。
「演劇部員に《結果》を!」なんて言うと、「演劇は結果とか勝ち負けじゃない!」という反応をされる方もいらっしゃるかと思います。
というか僕自身どちらかといえばそういうタイプで、自分でつくるにせよ観るにせよ、正直上手いか下手かよりもユニークさや発想力の面白さを楽しんでいる気がします。
にもかかわらず、今回このプロジェクトを立ち上げたのは、西和賀町の高校生と話していたときにこんな言葉を聞いたことがきっかけでした。
「美大や芸大への進学希望したいけど、自分にそんな資格があるのかよくわからなくて、学校や親を説得できない」
僕自身は東京の出身なので、岩手・西和賀の高校生たちとは比べ物にならないほど母校の日本大学芸術学部もその他の美大・芸大も「近い」存在でしたが、思い返せば「日芸で演劇を学ぶ」という決断にはそれなりの覚悟が必要だったし、それを親や学校に伝えるには勇気も必要だったし、まずは高校生なりに自分の覚悟を自分に対して裏付ける「何か」が必要でした。
高校演劇には、運動部でいうところの「公式戦」は年に一度しかありません。しかも地区大会から全国大会にいたるまでに年度を跨いだりもするため、初演のメンバーが全国大会の舞台には立てないということもあったりします。
地域によっては顧問の先生方や高校演劇連盟の方々が合同公演や発表会を開催している場合もありますが、そこで審査員を招いて表彰までするのは予算的にも難しかったりして(予算的には会場を押さえるので精一杯ということも多いそうです)、高校演劇部員たちが「自分たちのしていることがどんなことに繋がっているのか」を周囲に納得してもらう材料を得る機会は決して多くはありません。
たしかに純粋に部活動や表現活動として演劇をするのなら、誰かと競い合ったり、評価を求めたりするのは本質的なことではないかもしれませんし、それを目的にするのは僕も違う気がします。ただ、かといって何らかの《結果》が得られる機会がそもそも極端に限られているとしたら、それはそれで救いがない気もします。 また、コンクールや大会は《出会い》の場でもあります。自分の近くにいるひとたちからは「よくわからない」と言われた作品が、審査員に支持してもらえたり、他校の演劇部員から思わぬ共感を得たりすることはしばしばあります。
僕自身も高校時代、地区大会で劇作家の古城十忍さんに「君には書き続けてほしい」と応援していただいたこと、その先の都大会でやはり劇作家の坂手洋二さんに「この戯曲にはアンサーがない」と厳しく批評していただいたことは忘れられない財産です。そしてもっと大きな財産は、たくさんの他校の演劇部員と知り合うことができ、高校時代もその後もたくさんの作品を一緒につくるきっかけを得たことです。
これが仮に人口6,000人を下回る西和賀町のような、《出会い》の機会の少ない地域の高校生の体験であれば、その意味はより大きなものになるでしょう。
こういうことは演劇に限ったことではないとは思いますが、それにしても全国の高校演劇部員にとって、自分の進路に自分で可能性を与える、その自分に対する「裏付け」として、《結果》や《出会い》を残せるような機会はもっとたくさんあっていいはずだと僕は思います。
そして、そういう体験を持つことは、本人が演劇を続けるかどうかに関わらず、本人にとっても社会にとっても間違いなくプラスになるだろうとも思います。
この「いわて銀河ホール高校演劇アワード」は、そんな思いから、ひとまず僕にできそうなこととして立ち上げてみました。
実際のニーズはどのくらいあるかは分かりませんが、演劇に打ち込みたい高校生にとって「他にはない選択肢のひとつ」になればと思います。